Now Loading...

コンテンツ






おもしろいプロジェクトはどうしたら生まれる?(茂木健一郎著『ひらめき脳』、伊藤穰一著『「ひらめき」を生む技術』)を読んだ感想。)

おもしろいプロジェクトはどうしたら生まれるのでしょうか?それは、「おもしろいプロジェクト」というのは、つまり「おもしろいアイデア」を思いつく、ということに言い換えられると思います。ではおもしろいアイデアとはどうやったら生まれるのでしょうか?

私が思うに、それは遊びと勉強の中庸がひらめきを生むのではないか?ということです。

アイデアというのは偶有性の中にある、ということを茂木健一郎さんはおっしゃっていました。

【偶有性】
存在することもしないこともありうるものの在り方をいう。(コトバンク)

=(イコール)

完全にランダムでもなく、完全に規則的でもない中間領域。ある程度は予測できるが、どうなるかわからない側面もあるという性質。 (茂木健一郎著『ひらめき脳』)

遊びとはまさに偶有性ではないでしょうか。全くのカオスではなく、かといって全くの秩序でもない、そこにおもしろさがあるのでは、と思います。そしてカオスの中にこそ、ひらめきが潜んでいると私は思っています。

また、これも茂木健一郎さんの著書『ひらめき脳』の中でおっしゃっていたことで、

「ひらめきとは何もないところからは生まれない。知識と知識がその人の中で化学反応を起こし、そして新しいものが生まれる」

とのことです。勉強することによって知識を蓄えておくということも、ひらめきには必要なのでしょう。

またおもしろいアイデアを思いついた時、それをすぐ形にできる環境も大切です。

伊藤穰一さんの著書『「ひらめき」を生む技術』の一節を思いだしました。

それは、「何かを思いついた時にすぐそれを形にできる環境があることが大切」、というものです。

『「ひらめき」を生む技術』の中で、映画監督のJJエイブラムさんがおっしゃっていたことを引用いたしますと、

「とてもカッコいいアイデアを思いついた時に、それを外注するなんてすごくイライラする。とにかくすぐその場で全てを作りたいと思っています。「思いついたら作ってみる。」これ以上に僕をワクワクさせるものはありませんね。」

ということです。

JJエイブラムさんの映画制作会社では音楽スタジオやアートスタジオ、また隣のビルには特殊効果専門のビルもあるので全ての映像を外注せずに自分のところで撮ることができるそうです。それはアイデアを思いついた時にすぐそれを作って形にできるということです。

また同著書の中でデザイナーのティム・ブラウンさんがおっしゃっていたことを引用いたしますと、

「前にJoiも言っていたことですが、メディアラボのDNAの一つに、とりあえず作ってみようと言うものがあるでしょう?大切なのは、現場で手を汚し、モノ作りをし、やりながら学ぶことだと言っていましたよね?だとしたら、そういう環境の邪魔になるものを取っ払い、もっとスムーズにそれが遂行できるよう手助けしてあげればいいと思います。現場でモノづくりをすることを、もっとみんなが共有できるような環境づくりに、手を貸せばいいのです。」

つまり(自分や自分以外の誰かが)モノ作りやデザインをする際に、それがしやすい環境を作ること、またそういう環境になるよう手助けする、ということが、よいデザイン、ひいては「ひらめき」を生むということでした。

「遊ぶこと」、「知識を蓄えておくこと」、「いいアイデアを思いついた時、すぐそれを形にできる環境」、がおもしろいプロジェクトを生むのに大切なのでは、と思います。

以上です。